浅間山周辺 石尊山(1667.8m) 2016年2月20日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:53 登山口−−7:23 林道−−7:44 林道−−8:03 林道−−8:14 赤滝分岐−−8:17 赤滝−−8:19 赤滝分岐−−8:23 林道−−8:26 林道を離れる−−8:46 血の池−−9:22 石尊山 9:25−−9:42 血の池−−9:45 源泉−−9:47 血の池−−9:57 赤滝−−10:55 登山口

場所長野県北佐久郡軽井沢町
年月日2016年2月20日 日帰り
天候
山行種類積雪期登山
交通手段マイカー
駐車場登山口に数台分の駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望西側以外は開ける
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント追分登山口から往復。冬場の登山者はそれほど多くないようだが皆無ではなく山頂までトレースがありワカン不要だった。緩い登りが続いて足にやさしい。山頂は樹林が開けて目の前に浅間山が聳え、眼下には軽井沢市街から奥秩父の山々が望める




石尊山登山口 登山口東側の駐車スペース
やっぱ浅間山だ 登山口西側の駐車スペース
山頂まで5.4kmとのこと トレースありで助かった
ただの斜面にしか見えなかった 階段あり
標高1130mで最初の林道を横断 標高1220mの林道。轍あり
標高1220mの林道から山頂まで約3km まだトレースが続く
標高1310mで3回目の林道遭遇 短距離で林道と分かれる
赤滝分岐 滝の手前に石仏あり
水の色は黄色だが赤滝 登山道に戻るが本道を外す
適当に歩いて再び林道へ 林道にはスノーモービルの轍ありで歩きやすい
本物の登山道に合流 トレースを辿るので歩きやすい
カモシカか鹿の足跡 防災行政無線スピーカー。浅間山の噴火対策だろう
血の池。雪に埋もれる 血の池で左右に分岐。右は源泉経由。左に向かう
おはぐろ池 おはぐろ池の東側に祠あり
なおも登山道を登る 石尊山〜浅間山を結ぶ尾根に乗る。浅間側は立入禁止
浅間側。何となく道があるようだ 石尊山側に進む
最後の登り 石尊山山頂。背景は浅間山
石尊山から見た南側の展望
石尊山から見た奥多摩〜奥秩父(クリックで拡大)
石尊山から見た離山 石尊山から見た北八ヶ岳
帰りは源泉に寄ってみることに 源泉。温泉ではなく沢の源頭
帰りは登山道を正確に辿る。赤滝のすぐ上流で沢を渡る 赤滝を上流から見ている
登山道からも赤滝を間近に見られた 林道から登山道への入口を見落として適当にトラバース
登山道に復帰 登山口到着


 長野/群馬県境に位置する浅間山は活火山で、富士山同様に周囲に寄生火山がある。ほぼ真南に位置するのが石尊山で登山道がある山である。わざわざ雪がある時期に登るメリットは無いが、今回は天気予報は昼から雨で半日で片付けたいこと、気温が高く雪深い北信の山は柔雪地獄になりそうなこと、暖かな場所は既に花粉が飛散し始めていることなどを勘案し、それほど雪が多くないが無雪でもなく半日程度で往復できる場所として石尊山を選んだ。長野市からは70kmくらいである。

 今回は登山道があるのでそれをめぐることにする。ネット検索では標高1020m地点の追分が登山口とのこと。地形図ではもっと標高が高いところに林道が出ているがゲートがあって入れないし、この時期は積雪で車が入れず轍は無いだろうから林道歩きといえどもラッセルがきつい可能性がある。ならばスタートの標高は低いがトレースが期待できる登山道の方が楽だろうと判断した。もっとも、冬場の登山者数は不明でトレースがあるかどうか分からないが。

 2月も後半に入り、1ヶ月前と比較すると雪の量が劇的に減っていて夜中の浅間サンラインでも凍結の心配が無く安心して走行できた。カーナビにセットした登山口は別荘地の最上部にあって駐車場は除雪されていなかったが車2台分くらいは雪が消えたり薄くなって駐車可能で助かった。この夜は気温が高めで暖かく仮眠できた。さすが浅間山の麓で、火口から半径4kmは立入禁止区域に指定されているとのことだが、その中に位置する石尊山だけはOKとのことだった。

 朝飯を食って6時半過ぎに出発。まだ上空は薄雲で太陽の輪郭が見える程度だが、予報では長野ではお昼くらいから雨とのこと。まとまった雨量になりそうで雨が降ってくる前に下山したいところだ。周囲はかなり雪が少ないが上部は雪があるだろう。トレースの有無は不明なので念のためにワカンを持っていくことにした。6本爪の軽アイゼンもだ。山頂で昼飯を食うほどの時間はかからないだろうと飲み物だけ持っていくことにする。

 地形図を見て分かるようにしばらくは広い斜面を一直線に登っていく。地形図では車道の表現だが実際には歩道である。僅かな残雪には足跡があり、これなら山頂までトレースが期待できそうだ。周囲は唐松植林で花粉も無さそうだ。

 最初の林道を横断すると轍あり。冬場でも林業作業で山に入っているようだ。積雪は予想より少なく5cmくらいなので、未除雪でも車で入れそうだ。1ヶ月前なら1m近く雪が積もっていただろうなぁ。次の林道も轍あり。その上部の濁川に沿った林道は車の轍ではなくスノーモービルの轍だった。

 登山道は僅かな区間だけ林道を通るがすぐに左に逃げて濁川の左岸沿いを登っていく。名前のとおり川は黄色く濁っていて、今日は気温が高く雪解けで増水して泥が混じっているのだろうか。水量はそれほど多いようには見えないが。その謎は後で解ける。

 途中には赤滝(血の滝)の案内標識が登場、せっかくなので立ち寄ってみることに。左に分岐する道を進むと川の左岸の急斜面に付けられた道を進んでいき、行き止まりが滝だった。ちょっと小振りで迫力に欠けるが、水が直角に落ちる滝だった。名前とは違って水は黄色く濁っているが、普段は透明なのだろうか。

 登山道に戻ってさらに登ると踏跡が2手に分岐、どちらも行き先は山頂だろうと深く考えずに右に進むと林道に合流。今まで林道と登山道の合流地点には全て案内標識があったがここには無く、登山道から外れたらしい。でも地形図を見るとこの先で林道と登山道が合流することになっているので大丈夫だろうと林道を歩く。スノーモービルの轍は良く締まって歩きやすかった。

 林道の橋で濁川を渡った先で左から登山道が合流、どうやら登山道用の橋が林道の橋より下流側に存在するようだ。そこからすぐに登山道は林道から右の斜面に移る。

 落葉樹林の斜面を登ると小さな平坦地に到着。「血の池」の看板があるが池は見当たらず雪の下なのだろうか。ここで道は左右に分岐し、右は「源泉経由石尊山」、左は「石尊山」だ。源泉が気になるがそちらへの踏跡は薄く、ラッセルの可能性があるので登りは素直に左側の道を選んで帰りに源泉経由の道を通ってみることにする。どんな温泉が出ているのか楽しみだ。

 左に進んですぐに水をたたえた池が登場、「おはぐろ池」だった。東側には祠があり「血の池辨財天神社」の標識があり、昔から信仰登山の対象だったようだ。水は透明だが水底は赤茶色に染まっていた。

 なおも雪の上の踏跡に従って緩やかに高度を上げていく。ずっと南斜面を登っているので思ったよりは雪は少なく、多いところでも10cm程度でスパッツを装着する必要がなかった。踏跡の雪は良く締まって沈まないし、踏跡を外れても雪の締まりは良好でこれまた沈まない。

 やがて進路は叙所へ西へと変わり、浅間山と石尊山を結ぶ太い尾根上に出た。石尊山の大きな案内標識は左の下り側を指していて樹林越しに小ピークが見えていた。あれが山頂だろう。右側の登りは浅間山方向で立入禁止のロープが張られていた。浅間山へはこんなルートもあるとは知らなかった。でもここからだとまだ標高差約1000mあるな。でも見た目にはかなり近そうに見える。ただし、ここからでは浅間山山頂は前掛山に隠れて見えないはずだ。火山ガスで斜面上部は木が生えていないが、雪はかなり少なくて黒い地面が大部分で見えていた。

 広い尾根を南に僅かに下り、登り返したピークが石尊山山頂だった。これまで同様、樹林帯で展望が無いと思っていたが、山頂部は樹林が開けて南側の展望が広がっていた。八ヶ岳の稜線は雲が絡んで隠れてしまっているが、奥秩父はまだ見えていた。真っ白に見えている一角が金峰山だろう。この方向から見ると山々の北斜面が見えているので雪が一番多いはずだがかなり黒い。かなり雪は少なそうだ。

 帰りは源泉経由の道を探しながら下ったが標識には気付かず、血の池の分岐まで下ってしまった。やっぱり源泉が気になるので登り返しが面倒だが行ってみることに。雪に隠れて道の判別が難しいが、立木の位置関係でルートが想像可能だ。右手の沢に沿って少し登ると源泉の標識が登場。見てみると温泉の源泉ではなく沢の源頭だった。沸き出し口から勢いよく水が噴出している。水に手を入れてみると暖かくはないが冷たくもなく、普通の湧き水のように思えた。しかしここも川底が茶褐色。でも水は透明。ということは、この水の中には大量の鉄分が含まれていて、それが赤錆となって川底に付着したと考えるのが自然だろう。試しにちょっとだけ水を舐めてみたが、強烈な鉄分の味がした。ということは、濁川が黄色く濁っていたのは土砂が混じったわけではなく、源頭に元々含まれていた多量の鉄分が空気に触れて赤錆に変わったものだったのだ。源頭では湧き出した直後でまだ錆びが発生していないが、下流に向かうにつれて濁りが出ているのが確認できた。

 これで疑問解消ですっきり。あとは往路を戻るだけと気を抜いて歩いていたら林道から登山道に分岐する場所を見落としてしまった。往路で見覚えのない林道風景で気付いた。それに往路では短距離しか林道を歩いていない。地図無しGPSで往路の方向を確認し、今は西に外れていると分かったので唐松植林斜面を適当に東へとトラバースし、往路のトレースへ合流した。

 下りでは単独男性とすれ違った。今から登ると下山までに雨に降られるのではないだろうかと心配になる。雲は確実に厚さを増していて、太陽の輪郭は全く見えなくなっていたし、南の空の明るさも見えなくなっていた。

 緩やかに下りが続いて登山口到着。すれ違った男性の車が増えただけで、この時期の訪問者は多くはないようだった。まだ雨は落ちて来ず、間に合ってよかった。

 

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